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┃保┃育┃の┃父┃・┃佐┃竹┃音┃次┃郎┃に┃学┃ぶ┃会┃★┃通┃信┃

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┃ ┃音┃次┃郎┃会┃◆┃I┃N┃F┃O┃◆┃v┃o┃l┃.┃0┃6┃

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 気候も砂漠化が進んでおり、最近では春秋を通り越して夏冬に至る寒暖の差が激しい

昨今です。いかがお過ごしでしょうか。10月16〜18日には音次郎会念願の鎌倉訪問が実

現しました。ちょうどその期間は突然冷え込みが日本を覆い、冷たい雨の中での鎌倉旅

行となりました。

 

 保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会(通称:音次郎会)から会員の皆さまに会報

 (メールマガジン)をお届けします。

 

 今号では、その鎌倉訪問旅行を中心にご報告します。

 

◆◇INDEX◆◇

 

【1】音次郎会2017年度事業「鎌倉訪問」ツアー報告

 

【2】新刊書案内『高齢者の性愛と文学―明治期の感化教育と先達・良寛考』

 

【3】平成30年度開催第37回四万十市民大学への音次郎会誘致活動

 

――――――――――――――――◆◇◆◇

 

【1】音次郎会2017年度事業「鎌倉訪問」ツアー報告

 

 本年度の活動計画に挙げていた鎌倉訪問を実施しました。準備段階の役員会にて討議した結果、今回は会長・副会長・事務局にて訪問することになりました。この訪問は音次郎会発足後はじめての訪問で、表敬訪問の意味合いが強く、今後の音次郎史料収集に向けての取り組みや、顕彰活動の発展についての相談など事務的要素が多いためでした。

 

 ●目的

 

 音次郎準備会当初から、鎌倉保育園の後進である聖音会や鎌倉在住の音次郎子息にはたびたび生誕地にお越しいただき、会の発展にご尽力いただきました。音次郎会の研鑽や史料発掘の目的も含めて、今年度は音次郎会として鎌倉訪問事業を計画し、下記の通り実施しました。

 

 ●実施内容

 

参加者:浦田一雄会長、山ア祥正副会長、中平菊美副会長、瀬戸雅弘事務員

日 程:2017年10月16〜18日(月〜水曜日)

費 用:1人5万円(補助3万円+個人負担2万円)

成 果:○音次郎の人脈について体験的に明確になった(ドレーパー博士など)

○音次郎保育事業発祥の地(腰越医院・小児保育院、佐助・鎌倉保育園)訪問

○音次郎の資料収集(鎌倉教会記念誌、音次郎生写真など)

○音次郎研究者との人脈形成(市川教授など)

 

 ●旅行記録

 

[10/16(月) 上京、綾瀬市の各施設見学]

 

10:10 高知龍馬空港発ANA564

12:00 聖音会と合流 公用車にて移動

12:30 横浜中華街で会食

14:00 ドレーパー幼稚園、綾瀬ホーム、さがみ野ホームを訪問見学

18:00 聖音会とお別れ ホテルチェックイン

 

[17(火) 鎌倉音次郎足跡探訪、鎌倉教会、聖音会訪問]

 

8:30 江ノ電藤沢駅→1日乗車券「のりおりくん」で乗車

8:40 江ノ島駅着 江ノ島海岸散策

   腰越医院跡地探訪、跡地付近現住民への聞き取り調査

9:40 腰越の宝善寺訪問 沖本幸子記念碑・墓参

10:45 腰越駅→(江ノ電下り鎌倉行き)乗車

11:00 極楽寺駅着 極楽寺の社会福祉事業史跡見学

11:40 江ノ電に乗車して鎌倉駅着 八幡宮参道の段葛周辺で昼食

12:30 鶴岡八幡宮見物

13:30 鎌倉教会訪問 森牧師と会談

14:30 聖音会本部訪問 鎌倉児童ホーム(元・鎌倉保育園)施設見学

   聖音会の案内にて音次郎新旧墓地等訪問

18:30 聖音会との会食

20:24 鎌倉駅→(江ノ電上り藤沢行き)乗車 ホテルへ帰着

 

[18(水) 市川教授と会談、帰路]

 

9:00 ホテルのカフェにて市川教授(音次郎に関する図書の作者)と会談

11:19 JR藤沢駅から帰路

13:35 羽田空港発ANA565

 

 ●旅の感想

 

 私は職業柄、児童養護施設の歴史について興味があり調べたところ「悲田院」が発端である事を知りました。今回、鎌倉旅行をするにあたって鎌倉の歴史や土地柄を調べている中で、その悲田院に関して鎌倉極楽寺の僧・忍性上人に行き着きました。悲田院の歴史は聖徳太子から始まって、奈良時代は鑑真、平安時代には平安京の東西2個所に、そして鎌倉時代に入り忍性が極楽寺から各地へ拡散したとの事です。忍性は悲田院のみならず敬田院、療病院、施薬院を建て、20年間に5万人の患者を収容した記録があります。また鎌倉には「駆け込み寺」として知られる東慶寺などがあり、古くから社会事業の歴史をもつ土地柄でありました。音次郎がこの地で日本で初めて「保育の園」を立ち上げた事は、この鎌倉の歴史の必然だったのかも知れません。この旅で実際に鎌倉の地を踏みしめて、音次郎が150年前に感じた鎌倉の風を、私もこの肌身に受け止めました。そして更に音次郎の「こころ」に迫りたいと思いを新たにしました。

 この旅で、鎌倉保育の園の後進である聖音会と、鎌倉の佐竹家のみなさまにはツアーの実現に向けて準備段階から現地での送迎も含めて、寛大なる振る舞いと「お・も・て・な・し」をして下さいました。御蔭様で旅の目的が充分に果たす事が出来ました。この場をお借りして御礼を申し上げます。(瀬戸)

 

 

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【2】新刊書案内『高齢者の性愛と文学―明治期の感化教育と先達・良寛考』

 

 佐竹音次郎に関する内容を含む新刊書が発行されましたのでご紹介します。

 

書 名 『高齢者の性愛と文学―明治期の感化教育と先達・良寛考』

著 者 市川隆一郎

刊 行 2017年10月24日

出版社 叶曜社 (ホームページ:http://suiyosha.hondana.jp

 

内容(抜粋)

○明治期の感化事業と先達

 明治期における児童保護事業と倫理……

―― 佐竹音次郎の軌跡 ――

 1、佐竹音次郎の生涯と業績

 2、児童福祉思想形成の過程

 3、家庭主義と児童中心主義

 4、キリスト教倫理と新興宗教への忠誠

 5、業績の今日的意義

○良寛考

 良寛の病跡学的研究……

――良寛にみる日本人の原形――

 1、良寛の略歴

 2、良寛の性格と生き方

 

市川隆一郎氏の略歴

 1933年東京生まれ。臨床心理学専攻。

 神奈川県相模原児童相談所長、神奈川県立国府実修学校長を経て、聖徳大学人文学部

 社会福祉学科教授。現在、関東歯科衛生士専門学校・聖徳大学兼任講師。専門は臨床

 心理学、社会心理学、社会福祉援助技術。

著書 『ひとにぎりの子らとともに』

   『続・ひとにぎりの子らとともに』(三冬社)

   『私の良寛』(ミズ総合企画)

   『子供たちからの警告』(相模書房)など。

 

 ●まえがき(新刊本より引用)

 

 「老、愛、慈」について

 この論集は、聖徳大学在職中に書きためた三つのテーマ、「偏見・誤解されている高齢者の性愛」「子供への愛を終生捧げた児童福祉の先達」「生きとし生けるものへの慈愛を注いだ僧良寛」の小論八篇を、一冊にまとめたものです。

 日本は今、世界に類を見ないほど深刻な少子高齢化問題の渦中にあります。私は「社会福祉士・介護福祉士法」制定の年に、長年勤めた児童福祉の現場から社会福祉専門職者養成を目指して聖徳大学に転職しました。

 転職前は、専ら非行問題・知的障害・自閉症・不登校など精神・情緒に障害を持つ児童の処遇に努力を傾注していました。当時は、主に非行問題の解決に日夜励んでいたこともあり、児童福祉の先達、我が国最初の児童福祉法と呼べる「感化法」の制定、感化院の創設と感化教育に一生を捧げた「留岡幸助、有馬四郎助、佐竹音次郎」らの業績から多くを学んでいました。また、慈愛の心を持って子供らを慈しみ続けた僧良寛の人格に福祉の心を学んでいたのです。

 職を転じてから、児童虐待問題、高齢者介護問題に遭遇することとなりました。殊に、高齢者の性愛をめぐる諸問題は、社会一般の偏見・誤解もあって児童虐待問題同様、解決が難しい状況にありました。認知症(執筆当時は、一般に「痴呆症」と呼ばれていました)が伴えばさらに困難が加わります。有吉佐和子著「恍惚の人」の発刊以来、高齢者・認知症者への関心が高まってきたとはいえ、未だ必ずしも障害に対する理解が十分とはいえない状況にあります。

 高齢者が幸福な人生を全うするには、なによりも人間関係、性愛を含めたコミュニケーションが欠かせません。その解決の一助と思い取りかかったのが「文学作品にみる高齢者の性」の問題です。性愛の問題は日本の文化、日本人の性格からして実に微妙で解決の難しい問題です。そこで、文学作品の登場人物から性愛の問題を把握しようと考えました。まだ道半ばではありますが、「僧良寛と貞心尼の愛」(良寛七十歳、貞心三十歳時の愛)や「恍惚の人」(嫁明子、その子敏と舅茂造との介護愛とでもいうほのぼのとした愛)を通じて、高齢者をめぐる性愛問題、そして介護問題に関心を持ってもらえると幸いです。

 

 お求めはお近くの書店または上記水曜社のホームページにてどうぞ。

 

 

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【3】平成30年度開催第37回四万十市民大学への音次郎会誘致活動

 

 音次郎会では平成30年度に開催される予定の「第37回四万十市民大学」にて音次郎に関する講座が開設されるように誘致活動を展開しています。

 少子高齢化時代、特に四万十市ではその問題が顕著であるといわざるを得ないでしょう。5月の音次郎会講演会での参加者アンケート集計結果によれば、「四万十市またはこの幡多地域で足りない事柄は何ですか?」の問いに対して@児童福祉、A高齢者福祉との結果が出ています。四万十市が音次郎の提唱した「福祉のこころ」によって住みやすい街づくりを展開する事は急務であると感じます。

 地元出身の社会事業家である保育の父・佐竹音次郎に学ぶ福祉運営が必要です。

 まだよく知られていない音次郎について、市民大学の講座にぜひ採択されるように、市当局へと働きかけをしております。みなさまも応援をよろしくお願い致します。

 

 ●第37回四万十市民大学 講座プラン

 

講師 市川隆一郎氏

演題 保育の父・佐竹音次郎のこころと良寛考(仮題)

日程 2018(平成30)年8〜9月吉日

 

 今回、音次郎会が初めて、音次郎が事業を展開した鎌倉に訪問し、多くの関係者と交流し、音次郎の足跡を辿りました。その中で、音次郎を「師」と仰ぎ、音次郎を研究されている方とも出会う事ができました。その方は児童福祉の専門家の市川氏です。

 市川氏と音次郎会は、今回の鎌倉訪問ツアーを準備する中、叶曜社から音次郎に関する本を出版するにあたり、音次郎の肖像を提供して欲しいとの問合せが発端となってつながりました。【2】で紹介した本には「写真:保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会提供」と表示して下さっています。

 市川氏は同時に良寛の研究もされています。四国には88ヶ所霊場があり、良寛は若い頃、諸国修行の旅をしていますが、この頃の記録はほとんど残されていません。しかし、近年、瀬戸内海を渡って四国も旅していたことが分かってきました。

 良寛が残した言葉、彼の思想、親しみやすさと優しい心、思いやりに満ちたあたたかな人間性、大切なその信仰を愛好している人はこの地域にも多いのではないでしょうか。

 江戸時代の良寛と、明治時代の音次郎には、その人間性において1つの共通点を見いだす事が出来ます。そんな視点から市川氏には郷土文化に関わる興味深い講座が大いに期待できるのではないでしょうか。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 現在の会員数 94 名 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

2017.11.30 Thu

 

  日本で初めて「保育」という言葉を生み出した『佐竹音次郎』に関心のある方、

 入会希望者のご紹介など、お気軽にご一報ください。

 

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  │保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会│     会長 浦田一雄

  └──────────────┘ 事務局:四万十市中央公民館内

                   「保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会」

 各種お問い合わせは →→→ 四万十市下田2211(若草園内)

                0880-33-0247 瀬戸へどうぞ♪

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