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┃保┃育┃の┃父┃・┃佐┃竹┃音┃次┃郎┃に┃学┃ぶ┃会┃★┃通┃信┃

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┃ ┃音┃次┃郎┃会┃◆┃I┃N┃F┃O┃◆┃v┃o┃l┃.┃2┃8┃

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2024.7.22 Mon ホームページ:https://otojiro.link

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 暑い夏になりました。夏になると旅順で子供達と釣りや水泳をした音次郎を思い出します

(読み物シリーズ4~「日本一熱い男・音次郎の日本一暑い日」参照)。保育の父・佐竹音

次郎に学ぶ会(通称:音次郎会)から会員の皆さまに会報(メールマガジン)をお届けし

ます。

 

◆◇INDEX◆◇

 

【1】読み解き学習会⑥の報告

【2】「音次郎むかしあそび」の案内

 

――――――――――――――――◆◇◆◇

 

【1】読み解き学習会⑥の報告

 6月24日(月)13:00-15:00、新しい四万十市総合文化センターしまんとぴあにて史料読み

解き学習会を久しぶりに行いました。古文の読み解きはどうしても難解な側面があります。

今回は「音次郎と松」として、なるべく楽しく、親しみやすく解読するように工夫しました。

 会場では多くの画像を大型モニターテレビで見ながら、時にはクイズもしながら根を詰

める事なく音次郎と松について学ぶ事ができました。また、会場には音次郎と松に因んで

音次郎会監事・浜口さんの趣味である盆栽の中から、最も美しい箱庭作品も展示されました。

 また、柔らかく学んだだけには終わらず、今回の解読を経て今回号のふろく「読み物シ

リーズ」の通り、大きな成果もありました。

 

 今回の学習会の全体の流れ

① 音次郎が土地を買い広げた頃の関係書類(売買契約書など)の読み解き

② 講演「音次郎と松」中平菊美会長

③ 画像で見る音次郎と松

④ まとめ

 

 講演の中では、音次郎が幼少の頃から生家・竹島に多く生えていた松の木を愛していた

事を改めて振り返りました。

 音次郎が少年時代に愛した松は「聖愛一路」の記述では現在の竹島防災センターの丘付

近に郡立していたものと考えられます。しかし「撫松」(音次郎の雅号)の「辞世の句碑」

は平地の竹島集会所に生えていた松の木の下に置かれました。この違いについて今回、中平

会長より、「昭和時代に入ってから松食い虫の被害が各地にもたらされ、音次郎が辞世の

句碑を置く頃には聖愛一路に書かれてある西方の丘の上の松が無くなってしまったのでは

ないか」との考察も示されました。この場所はその後、竹島小学校の旧校舎が建っていた

時期もありますが、その写真を見ると確かに、松の木は僅かになっているようにも見えま

した。

 音次郎が鎌倉保育園を設立した時、経済的にも大変ではあったのですが、にもかかわら

ず音次郎は保育園の近隣の空き地を買い広げました。聖愛一路にはその時の出来事がよく

書かれています。「明日のお米をどうしようかと心配している先に、そんなにまでして土

地など買い込まなくてもいいじゃありませんか」と家人の反対があったのですが、音次郎

は「この辺は将来、別荘地となるに違いない。もし園の周りが心ない人の所有となって華

やかな生活を見せられれば、それこそ子どもたちが可哀想だ。だから、どんな工面をして

でもこれらの土地は保育園のものにしておかねばならない」と答え、「その言葉を聞いて

は誰も二度と抗議をする者はなかった」と綴られています。

 また、一時は音次郎が後継者にしようと訓練していた親戚筋にあたる乾綾雄は著書「佐竹

音次郎物語」の中で、「祖父は庭前に自分で移植した大小の松を我が子のように慈しみ、

暇を見ては丹念に剪定したり、植え替えたりした」と述懐しています。

 

まとめ

 

 音次郎の人生の中で、何度も松の木を見上げるシーンがありました。生まれて間もなく、

自分はこの家に生まれてはならなかった存在ではなかったのかと気付き、やがて養子に出

される事を知り悩んだ日々、松の木を見上げて慰められました。

 晴れ着を着て明るい顔を繕って中村のお町に養子に行き、まだ竹島には無かった学校に

通い、やがては染物屋の分家を継ぐ者としての都会暮らしは良かったかのように思えまし

た。その矢先、夫婦関係が壊れ、学校は辞め、家業を手伝うようになりました。不憫に思っ

た実父が音次郎を実家に呼び戻してくれました。

 しかし兄たち3人はすっかり成長して、農業を父の片腕としてこなす中、音次郎は都会

暮らしが仇となり劣等感を持ちます。その時も松を見上げて慰められます。

 「画像で見る音次郎と松」のコーナーでは由比ヶ浜の写真を見ました。医学学校(済生

学舎)の卒業旅行でここに来て、故郷と同じ景色にこの場所で生きていく事を決心します。

そこにも松の木が生えていた事でしょう。

 そして、サザンオールスターズの聖地・湘南海岸の腰越に医院を開きます。お母さんが

医院に来た時、入院を勧めますが小さい子の面倒を見る者がいないと言うので音次郎は母

子共に預かります。母は入院、子は妻・熊がお世話をします。それから口コミは広がり、

やがて腰越医院の看板の横に「小児保育院」と掲げます。しかし、病院に併設されていた

ため感染症が蔓延し、預かっている子供にまで不幸が襲います。音次郎は悩み、今の佐助ヶ

谷へと移転を決めます。その時の資金繰りの1次史料を冒頭、みなさんと読み解きました。

 鎌倉保育園は完成しますが、先ほどの説明通り、別荘地ゆえに周りの華やかな生活を見た

子供が不健康な思いを持たないようにと、敷地を買い広げ、境界に松の木を植えました。

 音次郎もその松の木を見ました。そして、今まで生い立ちの中で自分が人生の理不尽に

接した時、自分では拭い切れない心の思いがあった事を思い出します。音次郎は預かって

いる子供に「2度と私が味わったような悲しい思いはさせたくない」と思い、一人一人の

子供に接しました。

 画像では晩年の音次郎の写真を何枚か見ました。音次郎は腰越医院の時に資金稼ぎのた

めに結核征伐を書き、裸足で雪の中を売り歩いたので顔面神経痛になって、それからは口

が歪んで味噌汁がこぼれるようになりました。元々彼は仏頂面ですが、辞世の句碑と一緒

に写っている写真や、表彰を受けた時の写真よりも、音次郎の笑顔が一番輝いている写真

は、音次郎が子供の周りに居る時の写真でした。

 「音次郎はホントに子供が一番好きだったんだなぁ……」と、その写真から判ります。

 音次郎は子供を愛しました。子供愛を最優先に、その為だけにすべての事業をしたと言

えるでしょう。

 この高知・中村・竹島の先人を、もっと地域の方に知ってもらいたい。これからも共に、

音次郎に学んでいきましょう。

 

 己れ死なば死骸は 松の根にうめよ

 我がたましひの 松のこやしに

 

 「私が死んだら、あの私が愛した松の木の肥やしにくらいには、私はなれるだろうか?」。

音次郎の辞世の句にはその様な音次郎の気持ちが込められています。残念な事に、その辞世

の句碑を置いた松は音次郎が逝去する前日、失火により焼失しました。まさに音次郎と松は

運命共同体だったのです。

 

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【2】「音次郎むかしあそび」の案内

 

日時 2024年(令和6)8月10日(土) 9:00~10:30

場所 竹島集会所(四万十市竹島1010-3)

 

 保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会の夏休み特別企画イベントとして「音次郎むかしあそび」

を開催します。これは、先般の音次郎総会で紹介しました近年の音次郎総合学習の成果物

を使って実際にみんなで「遊んでみよう」という内容です。竹島小学校や中村高校漫画研究

部が製作した作品を使って、親子で楽しく遊びながら音次郎の歩みに触れるというものです。

 製作された遊び道具は「すごろく」、「かるた」、「紙芝居」です。小学生低学年から

楽しめる内容です。

 ともすれば歴史学習は難しく固いのですが、今回は遊びながら地元の先人・保育の父に

触れ、楽しく学べる良い機会になるでしょう。

 また、子供達の視点で音次郎をどう描いているのかも興味深いでしょう。

 親子連れで、また学者の方も新しい刺激のために、どなた様もこの新たな試みにご参加

ください。会場を涼しくして、更に冷たいものを準備して待っております。

 参加費無料です。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 現在の会員数 125 名 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

2024.7.22 Mon

 

  保育の父・佐竹音次郎に関心のある方、入会希望者のご紹介など、お気軽に

 ご一報ください。事務局から案内をお送りします。お知り合いの方があれば、ぜひ

 事務局に御紹介ください。

 

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  │保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会│ 会長 中平菊美

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 各種お問い合わせは →→→ 四万十市下田2211(若草園内)

                0880-33-0247 瀬戸へどうぞ♪

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募金・寄付金は

 幡多信用金庫 本店営業部 (普) 88502 保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会 会長 中平菊美

 ゆうちょ銀行 振替口座 01650-8-43162 保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会

 

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