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┃保┃育┃の┃父┃・┃佐┃竹┃音┃次┃郎┃に┃学┃ぶ┃会┃★┃通┃信┃

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┃ ┃音┃次┃郎┃会┃◆┃I┃N┃F┃O┃◆┃v┃o┃l┃.┃2┃5┃

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            (名義)保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会 会長 中平菊美

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            (一般銀行向口座番号:当座預金 一六九店 43162)

            (名義)保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会

 

 気象統計の歴史上最も暑い夏がおわり、やっと秋になりました。音次郎の時代にも暑い

夏があり、その事は読み物シリーズ4「日本一熱い男・音次郎の日本一暑い日」で触れまし

たが、それを思い起こせば「昔はよかった」とは言えない感があります。

 

 実りの秋の季節、保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会(通称:音次郎会)から会員の皆さま

に会報(メールマガジン)をお届けします。

 

◆◇INDEX◆◇

 

【1】奉加帳一覧表データの更新

【2】奉加帳概要(2023年9月現在)

【3】史料読み解き学習会4の開催

【4】竹島小学校総合学習で訪問

 

――――――――――――――――◆◇◆◇

 

【1】奉加帳一覧表データの更新

 

 保育の父・佐竹音次郎の「鎌倉保育園 慈善書画会賛助 芳名簿」は2021年3月に音次郎

会ホームページで公開されていました。ただいま、なるべく実物に近い複製版(レプリカ)

を制作中で、完成後は日誌のように関係各所へ贈呈したいと計画中です。

 

 芳名簿を公開してから、読み解けない部分の解読をしてくださる方をネット上で募集し

ておりました。この頃、板垣退助研究家である公文豪氏のご協力により芳名簿の中の多く

の人数を読み取りしたデータの提供を受けました。それを受けて事務局にて重複して登場

する人物の洗い出しと、一覧表の更新に取り組みました。

 2冊の奉加帳に記載されている人名は全部で652人です(第1回 459人、第4回 192人)。

これまでに466人が解読できていました。今回、公文氏のデータを編入しつつ精査しなが

ら一覧表を整備したところ、読み間違っている人物の指摘もあり、570人までが判明しまし

た。残り82人が読むには難しい崩し字などで、その人物が誰なのかが判りません。

 音次郎会では引き続き解読に協力してくださる方、御覧になっていて部分的に読めた方、

人物名を読み間違っているのでは等の御指摘も含めて、お知らせ下さるようにご協力をお

願いいたします。

 特に、第4回奉加帳には読めない人物が多く存在していますので、そちらを重点的に解

読していただければ助かります。

 

 また今回、読み解けた人名を反映して奉加帳実写映像と、読み取り結果を左右で対比し

ながら見る事ができる様に工夫した、新しい一覧表をつくりました。今までの実写映像の

みのファイルと読み解き結果の一覧表も更新して音次郎会ホームページ「研究材料」の

ページに保存しております。

 いずれもページ数が多く、印刷して同封する事ができません。「インターネットでデー

タを取り出す事が難しいけれども、協力をしてもよい」とおっしゃる方には、印刷した物

をお渡しする事も可能です。音次郎会へ御一報下さい。

 この会報にはミックス版の奉加帳を見本に1枚ふろくします。

 

――――――――――――――――◆◇◆◇

 

【2】奉加帳概要(2023年9月現在)

 

 この2冊の奉加帳には延べ652人の名前が記されています。現代にも名前が通る著名な

方はこの人々です。

 

 板垣退助(伯爵、内務大臣、自由党総裁)津田仙・梅子親子(農学者、津田塾大等創立)

 内村鑑三(牧師、キリスト教神学者) 松方正義(第4・6代総理大臣)

 渋沢栄一(第一国立銀行頭取、子爵) 横山大観(日本画家)

 清浦奎吾(首相、枢密院議員、伯爵) 東郷平八郎(海軍大将・元帥、侯爵)

 李 完用(大韓帝国の内閣総理大臣) 徳富蘇峰(猪一郎、思想家、矢島楫の息子)

 犬養 毅(総理大臣) 元田 肇(第25代衆議院議長)

 小室翠雲(日本画家) 釈 宗演(臨済宗僧侶、鎌倉円覚寺管長)

 尾崎行雄(文相、法相、東京市長) 後藤新平(内相、東京市長、満鉄総裁、伯爵)

 

 ここでは、読み解けている570人の範囲の中での話になりますが、改めて名簿を整理し

ていて気付いた点、注目すべき概要をお伝えします。いずれも、まだ読めていない人物が

82人ありますので、統計やデータはこの先、少しずつ変化する可能性がある事を予め承知

の上、ご覧下さい。

 

 書の提供者:173人  画の提供者:295人  賛助者:182人

 「賛助者」とは書画は寄付しないが、現金で寄付をしたり活動に同意したりする事を表

明して下さった方々です。

 

 出身都道府県別の人数は、

  東京(江戸):80人 高知県:28人 愛知県:20人 京都府:19人 鹿児島県:19人

  熊本県:17人 大阪府:16人 山口県:12人 以下、省略。

 47都道府県とはならず、奈良県、和歌山県、広島県、沖縄県の人は居ませんでした。

なお、ここで言うところの出身都道府県とは、その人が生まれた都道府県の事です。その

後、活躍をされていた場所は別の場所で、音次郎が協力をお願いしているのですから、居

住地は鎌倉や東京など、奉加帳をお願いに回れる範囲に住まわれていた方や、旅先で出会っ

た方だと思われます。今のようにインターネットも無く、クラウドファンディング(イン

ターネットを使った募金活動)など出来るはずもなく、広告媒体と言えば、せいぜい、新

聞記事になった程度でしょう。

 人口差と言う事もありますが、やはり東京出身の方が1番ですが、2番目に高知県出身

者がランクインしているところは音次郎らしく、ふるさとの人脈を大切にした事を感じら

れます。

 

 奉加帳に最も多く登場した人物は「野口小蘋」(のぐち・しょうひん)という女流画家

です。この人は日本画家で、5回も奉加帳に名前が登場します。提供した枚数としては、

毎回「若干」や「数葉」とあるので、1回5枚ずつだったとして25枚程度の日本画を提

供した事になります。日外アソシエーツ刊行「明治大正人物事典Ⅱ文学・芸術・学術編」

によれば、生年弘化4年(1847)1月11日~大正6年(1917) 2月17日。出生は大坂難波。本

名=野口親。専門は南画。略歴としては、父は漢方医松邨春岱。12歳頃より絵に専心し、

慶応元年(1865年)京都の日根対山に師事、 南画を学び花鳥山水を得意とした。明治4年

上京し、10年酒造家野口正章と結婚。15年第1回内国絵画共進会、17年同第2回で共に褒状

を受ける。22~26年華族女学校画学嘱託教授。26年シカゴ万博 で褒状、28年内国勧業博

覧会で妙技2等賞を受賞。また日本美術協会でも受賞を重ね、31年秋季展では「青緑山水

図」が特別賞状、34年春季展で「秋草図」が金牌を受賞した。この間御用画も数多くつ

とめ、32年東伏見宮妃、35年常宮、周宮の画学教師となる。37年女性初の帝室技芸員と

なり、文展では第1回より審査員。奥原晴湖と共に当時の女流南画家の双璧とされた。

 家族には夫=野口正章(酒造家)、甥=野口謙蔵(日本画家)が居ます。

 

 最も多くの枚数を提供した人は「杉浦公寿」という人です。奉加帳には「繪畫千枚」と

書かれてあります。つまり、絵画を1,000枚提供した事になります。ただし、多くの人が

「書若干」や「画若干」あるいは「書若干枚」や「画若干枚」と書いていて、「若干枚」

と書こうとして「干枚」とだけ書き間違えた事も考えられます。これは大変失礼な推測に

なりますが、書を1,000枚提供するならばともかく、絵画を1,000枚も書いて提供する事が

可能なのか、疑問の余地があります。

 ところで、この杉浦公寿さんはネットなどで調べてもヒットしません。千枚の絵画を提

供した音次郎の絶大なる支援者だった可能性もあります。

 もしかすれば数枚(若干枚)の書き間違いかも知れませんが、いずれにしましても、

「杉浦公寿」という人物について情報をお持ちの方は、ぜひ、音次郎会までお知らせ下

さい。

 

 このように、奉加帳も参与した方の氏名の解読が進んでいきますと、大変興味深い事が

浮かんできます。繰り返しになりますが、特に第4回奉加帳には読めない人物が多く存在

しています。その中の1人でも、「誰なのか?」分かった方は、音次郎会まで、ぜひ、お

知らせ下さい。

 

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【3】史料読み解き学習会4の開催

 

 読み解き学習会は1回目を高知城歴史博物館さんの指導の下、そして、2~3回目をど

うにか、こうにか、自習学習会として取り組んできました。毎回、毎回、新たな発見があ

り、それなりの成果がある事は嬉しい事です。

 今回は音次郎の晩年期の手記を読み解きます。音次郎はこれまで「聖愛」をスローガン

にひたむきに「一路」走ってきた児童福祉事業を、後代にどう継承していくか、その後継

者について音次郎が考えを述べている信書を読み解きます。

 今年のニュースでは世襲問題・同族経営問題に触れられる事が多くありました。音次郎

は後継者問題をどう考えていたかを見たいと思います。みなさまのご参加をお待ちしてお

ります。

 

対象史料:昭和6年8月26日付 佐竹音次郎から佐竹昇(次女・伸の夫)への手紙

日 時 : 2023年 10月 27日(金曜) 13:30-15:00

場 所 : アピアさつき 1F apiaホール (四万十市右山五月町8-13)

 

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【4】竹島小学校総合学習で訪問

 

 今年も竹島小学校を総合学習で訪問します。竹島小学校は音次郎の母校でもあり、教師

として赴任した学校でもあります。生誕地ですので、学校周辺に史跡が点在しています。

 今年は、新しく整備された史跡への案内看板を中心に、その順路に従って小学校5年の

クラスの児童と共に音次郎の思い出巡りをします。詳しくは終了後にホームページなどで

写真入りでお伝えします。

 

 音次郎会では各地区へ訪問学習や、学校の道徳の時間、人権参観日の講演など、音次郎

の「困った人を助けたい」との思いと共に、ふるさと学習として出前授業・出前講座を開

催する事ができます。内容は主催者と協議して、音次郎の理念に反しない限り、柔軟に対

応いたしますので、ぜひ、みなさまのご近所で、音次郎学習会を御計画下さい。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 現在の会員数 127 名 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

2023.10.11 Wed

 

  日本で初めて「保育」という言葉を生み出した「佐竹音次郎」に関心のある方、

 入会希望者のご紹介など、お気軽にご一報ください。事務局から案内をお送りしま

 す。お知り合いの方があれば、ぜひ事務局に御紹介ください。

 

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  │保育の父・佐竹音次郎に学ぶ会│ 会長 中平菊美

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 各種お問い合わせは →→→ 四万十市下田2211(若草園内)

                0880-33-0247 瀬戸へどうぞ♪

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